12歳の頃から念珠を作り始め、以来、実に80年間の人生全てを念珠に捧げた喜芳。
その孫として幼少の頃より喜芳工房で念珠作りを目にし、喜芳の念珠に対する想いを感じていました。 いつしか、喜芳は「自分の念珠に対する思い」を私に受け継いで欲しいと言うようになりました。 私も「喜芳の想いと技術」を絶やさぬように受け継ぎ、次へと繋げたいと思うようになりました。

確かな技術を伝承することは勿論、何よりも「念珠を持つ人の幸せを願い、その人のお守りとなるように念じて作る」という喜芳の想いを受け継いで、私たちがお客様にできることを考えました。

基本を大切にしながらも、今の時代に合わせて、お客様に喜んでいただけるお念珠を作り続けること。 それが、私たちにできることです。

喜芳は京都の伝統をこよなく愛し、それらに触れることで感性が研ぎ澄まされていきました。 京の地で育まれた感性は、他の誰もが考えつかない美しくこだわりのある念珠を次々と生み出し、その数々の念珠に関わる人々を幸せにしました。
喜芳がその時代に、伝統や芸事から学んだように、私も今の時代に合った、自身にしかできない学び方を念珠に取り入れています。

学びの一つとして、念珠を構成するさまざまな要素の中から「色」に着目し、京念珠カラーリストとなりました。
念珠は様々な色の石を扱います。最近では房の色も多様化してきています。 念珠には石のパワーもありますが、色のパワーもあるのです。 色とは光であり、光は皮膚や目から細胞や脳へと伝わり、私達の心や体に大きく影響を与えます。
ぜひ、念珠を通して様々な色を取り入れていただきたいと思っています。 配色の原理・原則を念珠に取り入れ、一人でも多くのお客様に喜んでいただける念珠を提供致します。

全ては、「お客様に喜んでいただきたい」という喜芳の思いを受け継ぐためです。
それこそが私の喜びでもあります。